思い付きで

妄想文を垂れ流す。
 
「不思議星の双子姫・アーリーデイズ」
 
不思議星始まって以来"最も姫君らしくない姫君達"の活躍より、不思議星が滅亡の危機を回避した時代から遡る事十余年。
不思議星の七つの国家の内「太陽」「雫」「風車」「炎」「宝石」の五国は戦乱の最中であった。
それまで「人間種」と「獣種」の2種族が共存(対等に非ず)していた5つの国家において「獣種」の武装決起が発生したのだ。
俗に言うクーデターである。
それまで、各国家を統治していた人間種に対し使役されるだけの、文字通り「獣」であった「獣種」が叛旗を翻し、各国で一斉に蜂起したのである。
特に「雫」「風車」「炎」の3国に於いては白熊種、猟犬種、獅子種の力が強く、戦後に講和条約を結ぶ際、各国の王室にそれぞれ獣種の代表を迎えざるを得ない程であった。
故にこの3国の王子と姫は不思議星史上初の「人獣混血の王族」となったのである。
(その存在そのものが"平和の象徴"であることを定められた血統であるといえる。)
ちなみに残り二国、「太陽」と「宝石」はそれぞれ真逆の方法で王家の血統を守る事になった。
すなわち、"説得"と"従伏"である。
「太陽」の国では軍事的というより政治的蜂起の面が強かった為、当時の国王(先代に当たる)が政治生命を賭して和平を結び、獣種の地位大幅向上を約束することで一応の平定を見た。
「宝石」の国は不思議七国でも最高の軍事力を誇る国である為、その武力をちらつかせる事で事態を早急に収拾させた。
尤も、この国で蜂起した獣種は根源的に「隷属」が刷り込まれていると言われているため、其れを承知していた王族側の勝利は約束されていたに等しいのだが。
 
こうして不思議七国の内、半数に迫る三国で「王/女王に獣種を迎える」事に為った。
ちなみに残り二国の「種」と「月」では大きな蜂起そのものが起きなかったという。
特に「月」の国では大臣の裏工作が有ったとも言われているが真実は明かされていないままである。